『ふたりでみるホロライブ vol.01』の感想文

感想文

久しく使っていなかったPlayStation VRを押し入れから引っ張り出した。もう1年以上は使っていないかもしれない。目的は『Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~ vol.01』。

VRのコンテンツはもういいやなんて思っていたし、Vtuberにスーパーチャットをしたことはない。何ならチケットも高い、4月に予定されていた『米津玄師 2020 TOUR / HYPE』のチケットよりも高い。それでも”連番ライブ”なるものはどうしても気になったので、PSVRに一仕事してもらうことにした。

VRの思い出

世の中でやれVRだ、と騒がれ始めたのはやはり2016年のPlayStation VR発売頃だと思う。実際にはそれよりも前にVRの機材は存在したけれども、PS4の周辺機器としてVRが体験できるのは大きかったのだろう。自分もそのムーブメントに漏れず品薄のPSVRを必死に予約し発売日に手に入れたものだ。

VR ZONE SHINJUKU
VR ZONE SHINJUKU

VRのイベントや施設も気になったものは訪れた。VR ZONE SHINJUKUでプレイした戦場の絆VRは衝撃的だった。あの時はプロトタイプVer.とのことだったが、未だに完成品は世に出てきていないのでプレイできた人も中々に少ないのではないか。他にはタイステ新宿南口で行われたコーエーのVRセンスのロケテにも参加したし、SEGA VR AREA AKIHABARAで『MORTAL BLiTZ』を体験したりもした。

VR SENSEのロケーションテスト
VR SENSEのロケーションテスト

残念ながらPSVRは一月も経たずに押入れにしまってしまい、たまに気になるコンテンツが出れば年に数回出してみる程度。VR ZONE SHINJUKUは2019年4月に営業を終了し、VRセンスは何のアナウンスもないまま公式サイトが消滅してしまったようだ。SEGA VR AREA AKIHABARAはまだ生き残っているようだが。

そんなわけでVRへの熱はすっかり覚めてしまった中で今回のライブの情報を見つけた時は正直悩んだ。それでも一度気になると体験せずにはいられないのはオタクの性といえる。

クオリティも高く大満足のライブ

昔話はここまでにしてここからは実際のライブについて。今回のライブは良識の範囲内で動画、SSの掲載が許可されているとのことなので動画・画像とともに紹介していく。

『Cinderella switch ~ふたりでみるホロライブ~ vol.01』においても固定の場所からライブステージを見渡すというVRライブの基本的な点は変わらない。ライブとしてもしっかりとした作りで、優劣をつけるのもどうかとは思うが、カバーが行う3D配信のライブに比べるとエンジニアの頼もしさを感じた。もしかしたら演者の筋トレや、あるいは喉の薬のおかげという可能性もあるが。

VARKのライブで特徴的なのはVRでも定形のコメントと拍手が送れるシステムがあったり、課金アイテムでステージに花やクラッカー、くす玉などを表示させることができるというシステムようで、ライブ中もスーパーチャットよろしく非常に多くの投げ銭が飛び交っていた。

他のVRライブでも存在するのかもしれないが、一部特殊な演出で曲中に演者がステージから降りてくるというものもあった。『Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆』ではいいタイミングでこの演出があり唸ってしまった。

やはり特筆すべき点は連番ライブという点で、ステージを片方の演者と一緒に観ることが出来る。そう説明されても中々実感がわかないものだが、実際に体験するとリアルタイムであることも加わりかなりの破壊力があった。『サマーレッスン』や『Fate/Grand Order VR feat.マシュ・キリエライト』、『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』等のキャラクター鑑賞系のVRコンテンツは一通り履修してきたが、リアルタイムで動いているキャラクターだと一味違うということか。

最後まで全力で声を上げるマリン船長と少し控えめに応援し続けるPP天使、ライブを聴きつつそんな姿を眺めるのも中々に魅力的だった。VRライブで会場を再現されてもイマイチ実感が伴わなず虚無になりがちだが、隣に誰かが存在するということがリアルタイムで行われているライブにより実感を与えていたのかもしれない。

アフタートークは蜜の味

ライブで十分満足はしたものの、もしかするとアフタートークのほうが記憶に残っている人も多いのではないだろうか。それもそのはずでアフタートークではあんなことやこんなことが……ということでほんの一部だけ紹介する。

実際のトークは10分以上あったので気になるのであれば今後のライブに”VRで”参加するのがいいだろう。ある意味これがキャラクターを鑑賞するタイプのVRの最終形態と言えるか。ファンならば一生モノの体験になるといっても大げさではないかもしれない。

とはいえやりすぎるとユメノグラフィアになってしまうのであくまでライブのオマケとして捉えたいところ。正直あまりに危険でハマりすぎると現実に帰ってこれなく可能性が極めて高い、ステイクール。

この先の進化にも期待

とかくVRライブにおいては何となくライブ会場っぽい音響を再現しがちであるように感じる。今回のライブも例えるならば「ライブ音源版のCD」のような音質で、あえてそれっぽいエフェクトをかけているような印象を受けた。当然そういった音響を好む人もいるのかもしれないが、個人的にはイヤホンで聴いたときに最適化された音であるとかしっかりとサラウンド感があるほうがより没入感が高まるのではないかと思う。

これは札幌市青少年科学館のプラネタリウムで行っているライブで、プラネタリウムに搭載されている6.1chのサラウンドシステムの4.1chを使用して行われている。動画では伝わらないと思うが、実際に現地で体験すると前後左右から音が聞こえてくることで不思議な浮遊感があり、普段のライブとはまた違った感覚を味わうことが出来る。他にもドームムービーという分野の作品もあったりと、VRならではの音楽体験という点ではこういった方向性の作品も出てくると面白いなと思う。

また連番ライブという点でだが、左から話しかけてくる声が残念ながらセンターから聞こえてきてしまうのが気になった。現場の問題もあるしこれを改善するためだけに機材を用意するのも難しいと思うが、改善されれば没入感は格段に変わってきそうではある。

VRコンテンツとして映像の部分はもちろん大事だと思うが、やはり音楽ライブなので音響に拘りや目新しさを感じられる作品が出てくるとこの先もワクワク出来るのではないだろうか。

最後に

VR版の『ふたりでみるホロライブ』はアーカイブで視聴することができない。はじめはネット配信なのにアーカイブ視聴ができないなんてケチだなと思っていたが、リアルタイムでしか視聴できないことがよりVRライブとしての価値を引き上げているのかもしれない。ステージを見るべきか、隣を見るべきか、我々はこの先も悩まされることになるだろう。

この記事を書き始めた時には購入するか悩んでいたOculus Quest2は既に予約購入した。いつの間にかVRを冷めた目で見ていた自分に「VRってやっぱり面白いじゃん」と思わせてくれたことに感謝したい。

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